第24回
2025.1.31

今冬はラニーニャの影響で気温は平年並みということだそうですが、北日本は豪雪に見舞われ雪かきにおおわらわだそうですが、冬は空気が澄んでいて雪化粧をした富士山がとてもきれいに見える日が多いのは、日本人としてうれしく思います。
さて、今回はクリーミーな味わいで栄養価がとても高い食材で、「海の宝石」とも呼ばれるふぐの白子についてお話したいと思います。というもの、いよいよ白子が鱈(タラ)からふぐへと変わる季節がやって参りました。白子は、ふぐの産卵期前である1月~3月頃が最も旬で、言葉にできない程、濃厚な味わいが楽しめます。
白子は、精巣という部位にあたり、当然のことながらオスからしか取れず、一匹から取れる量も少ないため、大変貴重な珍味となっています。限られた条件下で得られるその希少性から、ふぐの白子は高級食材というわけです。
少し、ふぐについて調べてみると、ふぐは日本全国の各地で獲られる魚ですが、北海道や石川県などで多く漁獲されています。この近年では北海道が漁獲量1位を続けているようですが、その中でもふぐで有名なのはやはり山口県でしょう。ふぐの本場といえば下関市を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。なぜ山口県はふぐで有名なのかというと、 下関には、ふぐ取扱量全国1位の日本で唯一のふぐ専門卸売市場「南風泊市場(はえどまりしじょう)」があり、日本全国で水揚げされたふぐがここへ集まるからです。ちなみに山口県の萩や下関で漁獲されるふぐの多くは、ふぐの王様と呼ばれる「とらふぐ」です。三重県志摩半島から伊勢湾、遠州灘にかけて漁獲される重さ700g以上の天然とらふぐをブランド化した「あのりふぐ」も有名です。えさとなるプランクトンや小魚が豊富な伊勢湾の安乗(あのり)岬で生まれ育ち、後に外海に出て荒波にもまれたあのりふぐは、引き締まった身になり、そのおいしさからブランド化されたようです。あのりふぐの旬の時期は10月上旬~3月上旬です。また、石川県は河豚の漁獲量が多く、能登半島で獲れる「能登ふぐ」や輪島港で水揚げされる「輪島ふぐ」のとらふぐをはじめ多種のふぐが獲れるため、旬は3月〜5月ですが、一年を通して美味しいふぐが楽しめることで知られています。
年間を通してふぐを楽しめるという意味では、日本はふぐ養殖の優れた技術のおかげで生産量が多く、養殖ふぐは安定して食することができます。養殖ふぐは長崎県が生産量が多く、基準値を満たしたものは「長崎ふく」というブランド名で出荷されています。その高い養殖技術のおかげで天然に負けないほどの品質を誇る長崎ふくの旬(出荷時期)は10月〜3月です。また、福井県の若狭湾でもふぐ養殖が行われており、こちらは「若狭ふぐ」というブランド名で旬は11月〜2月だそうです。
ところで天然ふぐの白子と養殖ふぐのもととでは、どれほど違いがあるのでしょうか?
見た目は殆ど違いが無いように見えますが、指で触るとその弾力の違いは明らかで、天然のものは弾力があります。天然の白子は、くせがなく濃厚でありながらも繊細にして、クリーミーな味わいで「海の宝石」と呼ばれるだけあって、その値段は生の天然の本鮪の大トロの部位よりも高価だと言われたりもするそうです。自然の恵みとはそういうことなのだと、有難いものなのだと改めて考えさせられます。
そんな旬を迎えたふぐの白子の食感は、まさに「今が旬」という瞬間を楽しませてくれる一品です。葉むらでは、おろしポン酢で召し上がっていただけます。ぜひ旬の味わいを堪能しに、葉むらに足を運んでみてください。
(次回につづく‥‥‥)
(文:立)
注釈:文中で取り扱っているデータ等については、Gemini・Bing AI(Chat-GPT4搭載)との対話及びネット情報、文献等からの筆者独自の分析によるものです。