「葉むら」の暖簾に触れて

第16回

2024.06.24

月山筍。大変ファンも多い天ぷらダネの一つです。
今回は、そんな今が旬の月山筍について触れてみたいと思います。

月山は、山好きの方なら誰もが知っている日本百名山のひとつで、山形県の中央部出羽丘陵の南部に位置する標高1,984mの火山です。火山といっても現在は噴火活動はなく、最後の噴火から約30万年もの間噴火しておらず、現在も噴火の兆候はないようです。

そのおかげで山菜の中でも絶品の月山筍が口にできるわけですが、豪雪地帯の山形県西村山郡西川町が月山筍の産地で有名です。

深く積もった雪の重みで根が曲がって、雪解けとともに雪の水分を吸って成長するため、アクが少なく、独特の風味と甘みがあり、山奥の雪が多いところほど軟らかくてコクのある味となる傾向が強くなるそうです。

月山筍は、根元が雪の圧雪で斜めになって立ち上がるために、「ねまがりたけ」と呼ばれています。

西川町では高齢化により山へ採りにいけないお年寄りが増え、昭和62年に月山筍の苗を田んぼに植えたのが、ねまがりたけ栽培のはじまりで、 西川町では山採りのものを“月山筍”、栽培ものを“ねまがりたけ”として区別しています。

地球上にはおよそ30万種類の植物が存在が知られていますが、そのうち食用にされている植物は1万種以上あるといわれていますが、人類がなんらかの形で口にできるものは3%程度しかないと考えると、それらはとても貴重なものだと感じます。

そのうちの1つが月山筍です。食材としての逸品を見つけ出してくれた先人たちに感謝の気持ちが湧き上がってくるのは私だけでしょうか…。

そんな月山筍に思いを馳せながら、葉むらでぜひ味わってみてください。
(次回につづく‥‥‥)

(文:立)

注釈:文中で取り扱っているデータ等については、Bing AI(Chat-GPT4搭載)との対話及びネット情報、文献等からの筆者独自の分析によるものです。