「葉むら」の暖簾にふれて

第14回

2024.04.19

富士見百図/初編
広重筆武相名所手鑑(ヒロシゲヒツ ブソウ メイショシュカン)
「武相名所手鑑」という武蔵の国と相模の国の名所を描いた作品集の中に「相州三浦秋屋の里」という一枚の絵があり、秋谷海岸から立石、そしてその向こうの梵天が鼻の岩山に立つ三本の松の木が描かれています。
「相州三浦秋屋の里」

 緑豊かな山々と潮風薫る相模湾に囲まれたこの南葉山のエリアは、都会の喧騒からしばし離れて時間を過ごすにはとても良い場所です。神奈川県の景勝地50選に選ばれている秋谷の立石(葉むらから約850m)や長者ヶ崎(葉むらから約1.7km)などもあり、相模湾の対岸の先に雄大にそびえ立つ富士山を臨むことができます。江戸時代の浮世絵師・歌川広重(安藤重右衛門)が「相州三浦秋屋の里」という作品名で秋谷の立石海岸からの絶景を描いています。

 絵師広重がいた頃に葉むらはまだ在りませんでしたが、もし在ったならきっと広重も旨そうに葉むら天ぷらを召し上がったに違いありません…。ぜひ葉むらの天ぷらと合わせて、広重が筆を取って描きたくなったこの眺望も見逃すことなくお出かけいただければと思います。
(次回につづく‥‥‥)

(文:立)

注釈:文中で取り扱っているデータ等については、Bing AI(Chat-GPT4搭載)との対話及びネット情報、文献等からの筆者独自の分析によるものです。
参考文献:『天ぷらのサイエンス』(誠文堂新光社, 2022)